引用ルール

最終更新日:2017年8月5日

引用の要件

このブログでは、他者の書籍等からの引用を、できる限りたくさん、おこなっていく予定です。
通常、他者の著作物の無断利用は、著作権法により禁止される行為ですが、それが「引用」であれば許されます。

著作権法32条が引用を規定しています。

著作権法32条(引用)
1.公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない。
2.(省略)

この著作権法32条を見ると、「公正な慣行に合致」し「正当な範囲内で行」うものであることを要件として、引用を可能となるわけです。

以下に、「公正な慣行に合致」し「正当な範囲内で行」うものであるというために検討が必要となる具体的な項目を列挙します。


他人の著作物の一部分を、自分の著作物の中にそのまま掲載することを引用といいます(中略)引用が認められるのは、次の要件すべてを満たした場合です。

  • 引用する著作物が、すでに公表されたものであること
  • 引用が、公正な慣例に合致すること
  • 報道、批評、研究など引用の目的上、正当な範囲内であること
  • 引用部分が、それ以外の部分と明確に区別されていること
  • 引用部分(従)と新しい著作物(主)との主従関係が明確なこと
  • 引用を行う必然性があること
  • 出所の明示

<神田将『著作権のことならこの1冊』>

 

(説明の都合上、上記要件を上から①②…と付番します)
さて、上記の引用にある「・引用する著作物が、(略)~・出所の明示」までの7行が具体的な確認項目となります。
以上の7項目について、ごのブログにおける考え方、適法に引用をしているといえるか否かを確認していきます。

①引用する著作物が、すでに公表されたものであること

講演・講習などで利用されている資料は引用しません。

②引用が、公正な慣例に合致すること


これは、公正な慣行がある場合にはそれに従う必要があるという趣旨と解される。

<荒竹純一『ビジネス著作権法』>

慣例があればそれに従います。なお、要件最後の「出所の明示」は慣例のひとつです。

④引用部分が、それ以外の部分と明確に区別されていること
⑤引用部分(従)と新しい著作物(主)との主従関係が明確なこと
⑦出所の明示

引用部分に利用するHTMLタグを使って表示上の区別をします。
具体的には、引用部分を「blockquote」タグで、引用元を「cite」タグで囲みます。
引用元は <著作者名『書籍名』> で記載します。ただし、同一書籍からの引用が続く場合、2回目以降は <同上> と記載します。
このページ最上部のように表示されます。
なお、ページの下部に引用元書籍を販売するサイトへのリンクを設置します。

引用元をまとめたページをみてみる >>

③報道、批評、研究など引用の目的上、正当な範囲内であること
⑥引用を行う必然性があること


引用した方が批判がしやすいとか、引用した方が自説の理解の助けになるという程度(それなりの必要性があるという程度)で足りると解すべきであろう。

<同上>


正当な範囲内という要件を満たすためには、引用の量及び範囲も必要な量及び範囲内でなければならない。ただ、必要であれば、俳句や詩、絵画などのように、全部引用も許される場合がある。
この量及び範囲の問題に関しても、「必要最小限」でなければならないという主張があるが、(中略)「必要な範囲内」で足りると解すべきである。

<同上>

引用の目的は、本サイトの目的から導かれます。
(日野)本人を含む法務担当者にとって有益なものであること。そのためには(日野)の独り善がりな見解ではないことの証明が必要ということです。
原則として、引用元に記載のママに引用します。ただし、引用が必要以上の量になるときは、上記のように「(中略)」として省略します。このとき同様の意味で「(略)」「(…)」なども使用します。なお、省略をする場合も文意が変わることのないように留意し、必要によって「(前略)」「(後略)」も記載します。

以上の各項目を確認した結果、このブログにおける引用は適法であるといえると考えています。
(法務に関するブログで法令違反となると、目も当てられないことになりますから…)

以上です。

 

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