【0279】徹底した機能志向への転換 1 of 4

90-番外

QBハウスとは
カット以外の時間をできる限りカットして、
カットすることに集中するビジネスモデルであります。

他の散髪屋さんは、1時間かけて一人のお客様を仕上げます。
予約管理をして当日お迎えして、挨拶+αの会話を交わしてからオーダーを受けて
シャンプーしてカットしてひげ剃ってシャンプーして整髪してお会計してお見送りする。
その間ずっと小粋なトークを織り交ぜます。少なくとも最低ラインより上のファミレス級の接客態度を求められているようです。※

 

※以上を学術的に書かれているのが下の引用部分です。

W・チャン・キム他 『ブルー・オーシャン戦略』p102 下線は(日野)による

“このQBハウスのブルー・オーシャン戦略を支えるのが、感性志向から徹底した機能志向への転換をめざす考え方である。日本では男性のヘアカットには平均で1時間前後かかっている。なぜなら、まるで儀式のようにさまざまな手順を経ているのだ。ホットタオルを何枚も使い、肩をもみ、お茶やコーヒーをふるまい、おもむろに髪をカットし始めるわけだが、その際にはドライヤーをあてる、ヒゲを剃る、といったサービスもする。つまり、実際に髪を切っている時間は全体のごく一部にすぎない。そのうえ、さまざまなサービスを付加したせいで、顧客の待ち時間が長くなっている。ちなみに代金は3000円から5000円程度である。

QBハウスは上のような慣行すべてを問い直した。多くの人々、とりわけ働き手たちは、髪を切ってもらうのに1時間も費やしたくないはずだ、との考えをもとに、タオル、肩もみ、お茶やコーヒーといった感性志向のサービスをやめたほか、ヘアトリートメントもせずに、主に散髪だけをするようにしたのである。そのうえでQBハウスはさらに一歩踏み込んだ。ホースを用いてカット後の毛くずを吸いとるエアーウォッシャーというシステムを導入して、シャンプーとドライヤーという時間のかかる作業を省いたのである。このほうが、顧客の髪を濡らさずにすみ、従来よりもはるかにスピーディで優れた方法だといえる。こうした取組みによって、ヘアカットの時間は1時間から10分へと短縮できた。しかも、各店舗の外に信号機のような装置を置いて、空きユニットの有無を表示しているため、予約デスクが不要となったほか、顧客もあてもなく待たされることがなくなった。

こうしてQBハウスは、業界平均が3000円から5000円程度というヘアカット代を、実に1000円に設定しながら、人件費と店舗スペースを抑えた効果で、各店舗の時間当たりの売上高を50%近くも増やした。“

(日野)が20代で通っていた散髪屋さんは「The・業界平均の理美容店」でした。

–次回につづく–

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