【0051】法務担当者のためのキャリアデザイン考 3 of 5
「キャリア」を定義した。ではその「キャリア」をどうするのか
試験結果という過去の実績によって将来のポジションが決まってしまう。どちらかというと過去のイメージ。来し方、学歴・職歴・経歴、過去を積み上げをキャリアであると理解していた(日野)は、ある質問により「キャリア」という言葉を再定義することとなり、キャリアとは「生涯過程を通して、ある人によって演じられる諸役割の組み合わせと連続」と定義しました。
次に、「今後のキャリア」を考えていくわけですが、さて、年齢に応じた(日野)の役割、と言われても漠然として何から手をつけてよいのかわかりません、現代のようなこういう時代になると何歳でどんな役割を持っているのが正しいのか判断するのはとてもむずかしい。
定義をつける過程で目を通した大量の本にヒントがありました。
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キャリアについて考えるということは、まずこの三つの問いに向き合うこと(略)
シャインの3つの問い
(能力・才能)自分にできることは何か?
(動機・欲求)自分は何がやりたいのか?
(意味・価値)自分は何をやることに価値を感じるか?<大久保幸夫 『キャリアデザイン入門 Ⅰ・Ⅱ』>
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この引用部分の前後を(日野)なりにまとめて要約すると、次のようになります。
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- キャリアには、客観的側面(経験してきた職務の連続)と主観的側面(仕事上での自己のイメージ)という2つの側面がある。
- 主観的側面を自覚することで、未来の客観的側面(経験するであろう職務)を自分自身で意思決定すること。これをキャリアデザインという。
- 主観的側面を自覚するために、シャインの3つの問いを自問自答し続けること。これがキャリアを考えるということだ。
<大久保幸夫 『キャリアデザイン入門 Ⅰ・Ⅱ』から抜粋>
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できること・やりたいこと・やるべきこと、を考えれば、演じるべき役割は自然と決まるように思います。
こうして役割が決まれば、あとはどうやってその役割を演じるか、役割に就いて・その役割を演じるための手段を考えればよいことになります。
役割に就くための・役割を演じるための手段
先にキャリアデザインが定義されました。主観的側面(仕事上での自己のイメージ)を自覚することで、未来の客観的側面(経験するであろう職務)を自分自身で意思決定すること、という部分です。
このキャリアデザインについて、目標はキャリアの成功である、と書かれています。
そして、キャリアを成功させる方法は、段階に応じて、適切に行動し、能力を高めていくことだ。と続きます。
別の個所では、キャリアデザインの理想的な姿として、次のように掲げられています。
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初級キャリアでは、目の前の課題に全力で取り組み、経験と出会いを得て、基礎力を身につける「筏下り」型のキャリアデザインをする。そしてその次に、「筏下り」期間に得た経験と出会いをもとに自分の専門領域を特定し、全エネルギーを集中して専門力を高める「山登り」型キャリアデザインをする。(…)山登りのプロセスは、「プロ」として活躍するまでのプロセスに他ならない。(…)プロとはもちろんプロフェッショナルのこと(略)<大久保幸夫 『キャリアデザイン入門 Ⅰ・Ⅱ』>
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キャリアデザインの目標=キャリアの成功 すなわち 役割を演じ切ること
キャリアデザインの理想的な姿=プロとして活躍するプロセスを経ること
ここで、「理想的な姿は目標達成の十分条件である」といえるはずです。(理想的な姿でも目標を達成できないとなると悲しすぎますので)
そうなると、プロフェッショナルとなることがキャリアの成功 すなわち 役割を演じ切ることにつながる、といえるのではないでしょうか。
それであれば、
「役割を演じる手段」とは「プロフェッショナルとして活躍するプロセスを経る」こと、
「役割を演じる」とは「プロフェッショナルとして活躍する」こと、
といえるのではないでしょうか。
次回につづく
(追記)投稿当時は現在とちがい、管理人の名称は(準備中)でした。修正して現在の一人称である(日野)等に置換えをしています。