【0058】法務担当者のためのフレームワーク導入 2 of 4

14-連載-法務三大フレームワーク12経営法務/戦略法務, 63意思決定, 77一般スキル, 99引用

–前回までのあらすじ–
法務担当者の業務に役立つフレームワークをまとめよう、ということでフレームワークとは思考の枠組みであると理解している(日野)がフレームワークの例として挙げるのがPPMで、言葉で説明するより図を見たほうが早いのでもう一度あげときますね。
160928_ppm
 

名前 成長率 シェア 段階
問題児 育成
花形 現状維持
金のなる木 投資を抑えて資金回収
負け犬 撤退

ここで例に挙げたPPMのように、フレームワークを利用すると非常にわかりやすい。

「もうこの事業はだめだからやめましょう」と言われあれこれ説明されても、その事業を行う人たちは最初の「もうやめましょう」の言葉だけがインプットされあとの話は頭に入らず、抵抗することしか考えないわけですが、PPMを理解している人に四象限を書いてプロットして「いまこの事業の立ち位置はココ、負け犬です。撤退しましょう」といえば、多くを語らずとも直感的に「もうだめなんだな」と判断されると思います。

これがフレームワークのよいところで、共通のフレームワークを持つことでその当事者間では説明を省略することができます。

もうひとつフレームワークのよいところは、ゼロから考えなくてよいことです。

さきほどの例で「A事業はもうだめだ、社長にはA事業からの撤退判断をしてもらいたい」と考えたときに、どう説得するでしょうか。
ゼロから考えるとなると、その事業の悪材料(例えば収益悪化とか)を探すところから始めることになります。
一方でPPMという枠組みを知っていれば、「まず市場成長率とシェアを調べるか」ということになります。

あてずっぽうに数字を集めるのと、まずは2つの数値を確認しようというのでは、手間も時間も大きく変わってきます。

ハンマーしかないとすべてが釘に見える(A.マズロー)

このように便利なフレームワーク、世の中には大量にあります。

ダイヤモンド社から発売されている『図解 基本フレームワーク50』というフレームワークのカタログ的な本があります。この本の目次からいくつか拾ってみると、

  • MECE
  • ロジックツリー
  • 5つの力分析
  • 3C
  • SWOT分析
  • バリューチェーン
  • AIDA
  • プロダクト・ライフサイクル

などなど、
名称を列挙するだけで1投稿文の半分くらいを埋めそうな勢いです。

このようにたくさんあるからこそ、『図解 基本フレームワーク50』のような本が必要とされます
ちなみに、「それフレームワーク?」と首をかしげたくなるものも含めてページ数を稼いでいるような本もあるなかで、この本は良心的だと思います)。

そして、同様な本に以下の記述があります。


それぞれ一長一短があり、すべてに通用する決定版はありません。医者のたとえで言えば、内科には内科、外科には外科の治し方があり、内科と外科のどちらで治療するかは患者や病気によります。要は健康になりさえすればよく、問題に応じて最適なチョイスをするしかありません。
問題解決技法を学んだことのある人でも、大抵は自分が得意な限られたやり方しか知りません。それでは、欲求階層説でしられる心理学者A.マズローが言う「ハンマーしかないと、すべてが釘に見える」に陥ってしまいます。

堀公俊 『問題解決フレームワーク大全』

フレームワークって知ってると便利だね、というだけでは足りないのです。

各フレームワークの長所・短所を理解した上で、直面する課題に応じて選択し、使いこなすことが求められているのです。

–次回につづく–

(追記)投稿当時は現在とちがい、管理人の名称は(準備中)でした。修正して現在の一人称である(日野)等に置換えをしています。


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