【0059】法務担当者のためのフレームワーク導入 3 of 4

14-連載-法務三大フレームワーク12経営法務/戦略法務, 63意思決定, 77一般スキル, 99引用

–前回までのあらすじ–
フレームワークとは思考の枠組みであると理解している(日野)が例として挙げるPPM、これひとつ見てもわかるように、自分でゼロから考えなくていいし、受け手もわかりやすい、一挙両得、フレームワーク最高、たくさん覚えて課題に合わせて適宜最適なモノを使っていこうぜ、いまでは世の中もそれを求めているぜ、なんせ「ハンマーしかないとすべて釘に見える」からな。

少なくともどんな釘でも上手く打込めるハンマーの使い手になろう

たくさんのフレームワークを使いこなすことが求められていることは事実だと思います。

ひとつの方法しか知らなければ、すべての課題をその方法で解くことになる、「ハンマーしかないとすべて釘に見える」も至極名言、ごもっともです。
一方で、膨大なフレームワークをすべて覚えて理解して、適宜適切に適用しましょう、と言われても、すべてとなるとまず無理です。
日々増えていくものですし、流行り廃りもあるモノですから。

たとえ自分ができたとして、もうひとつ問題があります。
当事者間でそのフレームワークに対する共通の理解がなければ効果が薄いということです。
自分がすべてのフレームワークを理解して適宜適切に利用したとしても、説明を受ける相手がそのフレームワークを知らなければフレームワークの説明から始めることになります。

(日野)が思うのは、すべてではなく、いくつかのフレームワークを極めてはどうか、ということです。

フレームワークといっても道具でしかありません。

道具は使ってこそ意味があります。
たとえハンマーしか持っていなくても、他の誰にも打てない角度で釘を打てるなら、大きな価値があると思います。

道具といって、(日野)がまず思い浮かべるのは、職人の姿です。
職人が手に持つ使い込まれた美しい道具を見るとほれぼれします。

例えば油が染み込んで黒光りする中華鍋。
美味い鉄板焼きの店のカウンターから見える鉄板も同じ趣があります。

身近な物では食器などどうでしょうか。
上質なお店で料理をいただくときは、味だけでなく器の美しさにも心躍ります。


素材を吟味したいい器は、長く愛用するほどに逆に美しく変身するものが多い。素木も漆も金属も、愛用することで色つやを増す。(…)ただし、美しくなるには条件がある。新品の時からいいモノで、気に入って、だから長年愛用し続けて、それで美しくなるということだ。

山口泰子 『暮らしと器』

使い込むことで実用度が増す物は他にもたくさんあります。
例えば字が美しい人が持つ使い込まれた万年筆がそうです。


万年筆が持つ(…)3つ目の魅力、それは書き込むほどにペン先がなじんで、自分にとって書きやすくなるという点だ。(…)万年筆のペン先は大変に強い合金でできているが、書き込むほどにその形がわずかに変化していく。これがその人の書きグセに合わせた形になっていき、どんどん自分好みの書き味になっていく。書きやすくなれば、心地良さがさらに増し、それにより、味わいのある文字が書けるようになるという好循環にもつながっていく。

土橋正 『仕事文具』

(日野)が考える道具のイメージはこういうものです。
そして、フレームワークも道具なのだから、良いモノいくつかに絞って使い込んでいくのがよいと考えています。

 

 

–次回につづく–

(追記)投稿当時は現在とちがい、管理人の名称は(準備中)でした。修正して現在の一人称である(日野)等に置換えをしています。


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