【0060】法務担当者のためのフレームワーク導入 4 of 4

14-連載-法務三大フレームワーク12経営法務/戦略法務, 63意思決定, 77一般スキル, 97最終話, 99引用

–前回までのあらすじ–
フレームワークとは思考の枠組み、一例のPPMを見るだけでわかるように、自分でゼロから考えなくていいし、受け手もわかりやすい、たくさん覚えて課題に合わせて適宜最適なモノを使っていこうぜ、いまでは世の中もそれを求めているぜ、でも「ハンマーしかないとすべて釘に見える」といわれても現実には無理、たとえハンマーしか持っていなくても、他の誰にも打てない角度で釘を打てるようにしようぜ、鉄鍋とか漆器椀とか万年筆とか使い込むことで価値が高まる道具のように、フレームワークもとらえたらどうだろう。

道具を使い込むことで自分の書きグセに馴染んでいく万年筆の話を挙げました。

さらに道具を毎日使うことは自分にとって使いやすい形になるだけでなく、長く使うことにもつながります。


万年筆のメインテナンスは面倒に思われるかもしれない。実はメインテナンスとして真っ先に考えるべきことは、「万年筆を日々使い続けること」である。これが何よりのメインテナンスになるといわれている。
万年筆でよくあるトラブルは、入れっ放しにしたインクが万年筆の中で乾燥してしまうことだ。しかし、日々使っていればそうした心配はない。毎日少しでもよいから使ってあげたい。

土橋正 『仕事文具』

この引用では、使うことがメインテナンスであると言っています。


(…)腕のいい職人は椀を磨かない。上塗りで刷毛目を残すことなく滑らかに塗り上げて、使ううちに自然に艶が出ることを見越しているから。上質の漆器は毎日使って磨かれる。洗って拭き上げるたびにほんの少しずつ磨かれる。上質の漆器を使うにつれて漆が透けて、つややかさを増していく。

山口泰子 『暮らしと器』

こちらは、使われることを前提に、完成時点では工程がひとつ省略されているという話です。完成時点では未完成で、使うことにより完成する物もあるということだと思います。

たくさんの例を挙げてみましたが、どうでしょうか。

仕事で使う道具であるフレームワークも、同じではないでしょうか。
ひとつでは不安だけど、100も無理。せいぜい二つ・三つ。
でもその二つ・三つは完璧に使いこなせる。

とはいえ、選んだ2~3の他は知らなくてもいいということではなく、知識としては持っているべきだと思います。
知っていないと良いモノを選ぶこともできませんしね。

次回予告

今回のテーマは法務担当者の業務に役立つフレームワークをまとめよう、ということでした。
ここまでは前段の話でした。いったんまとめておきます。

  • フレームワークとはどういうものか。
  • 「ハンマーしかないとすべてが釘に見える」だからたくさんのフレームワークを知っておくべきだ。
  • とはいえ、すべてを使いこなすのは無理だし、受け手がすべてを知っているとも限らない。
  • フレームワークも道具でしかない。道具は使い込むことで真価を発揮する。
  • それであれば上質なフレームワークに絞ってそれを使い込んでいこう。

いよいよ次回からが本題です。法務担当者の業務に役立つフレームワークの紹介に入っていきます。

 

 

–ひとくぎり–

(追記)投稿当時は現在とちがい、管理人の名称は(準備中)でした。修正して現在の一人称である(日野)等に置換えをしています。


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