【0070】フレームワークとしての法的三段論法(後) 1 of 8

14-連載-法務三大フレームワーク11環境整備, 12経営法務/戦略法務, 13予防法務, 14臨床法務, 16内部関係, 17継続関係, 18突発関係, 21基本六法, 22民商法, 23労働法, 24消費者法, 25経済法, 26知的財産法, 61契約手続き, 62リスク管理, 63意思決定, 76資格・試験, 94伏線・回収, 96第一話, 99引用

雨男が歩けばオット氏に当たる

(日野)は今日も休日、休日には(日野)は散歩をする。

(日野)が散歩に出るということイコール雨が降るということである。

そう、(日野)は雨男である。

 

ちょうどポツポツと始ったころ、今日もあの夫婦とすれ違います。

ツマ氏「…あ、雨降ってきたな」

オット氏「え?雨?降ってないで。」「…ああ、ほんまや。いま当たったわ。やっぱりツマちゃんはエロいからなあ(笑い)」

ツマ氏「せやなあ。て、こないだの仕返しか(笑い)」

 

おやおや、今日はツマ氏が先に気づいたようですね、相変わらずほほえましいことで、こんな場面を毎度みられるなら雨男も悪くないなと、思う(日野)なのでした。

 

――

また別の休日にも散歩している。

(日野)が散歩に出るということイコール雨が降るということである。

(日野)は雨男である。

まだ雨は降りませんが、今日もあの夫婦とすれ違います。

今日は雨降りません。そのまま散歩を終えて家に着きました。

 

(日野)はがっかりしながら思いました。「まあ、雨男やからって外出たら常に必ず雨降ってるわけじゃないしな。」

 

というか、この話、ダレトク。

 

ここまでのおさらい

法務担当者の業務に役立つフレームワークをまとめよう、というテーマで
まずフレームワークとはどういうものかを【0057】法務担当者のためのフレームワーク導入 1 of 4から4回にわたり、
次にフレームワークの第1号として法的三段論法について【0061】フレームワークとしての法的三段論法(前) 1 of 7から7回にわたって書いてきました。
いったんここまでをおさらいしておきます。

<フレームワークのまとめ>

  • フレームワークとは、物事を理解するための思考の枠組み。
  • ビジネスにおいては、経営戦略の立案や業務上の問題解決、現状分析などに使用する仮説思考や論理的分析手法の総称で、例えばPPM
  • 「ハンマーしかないとすべてが釘に見える」だからたくさんのフレームワークを知っておくべきだ。
  • とはいえ、すべてを使いこなすのは無理だし、受け手がすべてを知っているとも限らない。
  • フレームワークも道具でしかない。道具は使い込むことで真価を発揮する。
  • それであれば上質なフレームワークに絞ってそれを使い込んでいこう。

 

<法的三段・前編のまとめ>

法務担当者の三大フレームワーク第一号:法的三段論法
・2~3選び出すとすると第一に「法的三段論法」
・「法的三段論法」はこういうもの<髙橋明弘 『法学への招待』>を基に(日野)が作成

論理学上の三段論法 法的三段論法
(大前提) すべての人間は いつか死ぬ。 (抽象的法規範:規範定立) 人を殺した者は、死刑……に処す。
(小前提) シーザーは人間である。 (具体的事実の認定:あてはめ) ブルータスはシーザーを殺した者である。
(結論) シーザーはいつか死ぬ。 (法的結論:結論) ブルータスは死刑に処せられる。

・法的三段論法の各段階を見ていくと

  • 「規範定立」の「規範」としては法律の条文が該当し、条文は「要件」と「効果」で構成されている。
  • その要件と効果のうち、要件を満たすかどうか確認する作業が第2段階「あてはめ」
  • 第3段階では第1段階で提示した要件と効果(AならばCである)のうち第2段階で事実が要件に該当することが確認できた(BはAである)ので事実が効果を導く(だからBはCである)ことを宣言する

(規範定立)人を殺した者は死刑に処す→(あてはめ)ブルータスはシーザーを殺した→(結論)ブルータスを死刑に処する
・「規範定立→あてはめ→結論」は論理の順序。
規範定立→あてはめ→結論
・この順序でいくと都合が悪いときがあるので、現実の思考の順序は「結論→規範定立→あてはめ」
(問題発生:事実)→(結論)→(規範定立)→(あてはめ)→(結論)

 

この「法的三段論法」については「どういうもので」「なぜ必要で」「どう使えばよいのか」ということを書いていくことをテーマとして挙げ、前編である前回【0067】フレームワークとしての法的三段論法(前) 7 of 7まで「どういうもので」、「どう使うか」、ということを書いてきました。

後編となる今回からは、残りの「なぜ必要か」という点を書きたいと思います。

加えてもうひとつ、「法的三段論法を活用するために知っておくべき注意点」について書いていきます。

 

–次回につづく–

(追記)投稿当時は現在とちがい、管理人の名称は(準備中)でした。修正して現在の一人称である(日野)等に置換えをしています。


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