【0070】フレームワークとしての法的三段論法(後) 1 of 8
雨男が歩けばオット氏に当たる
(日野)は今日も休日、休日には(日野)は散歩をする。
(日野)が散歩に出るということイコール雨が降るということである。
そう、(日野)は雨男である。
ちょうどポツポツと始ったころ、今日もあの夫婦とすれ違います。
ツマ氏「…あ、雨降ってきたな」
オット氏「え?雨?降ってないで。」「…ああ、ほんまや。いま当たったわ。やっぱりツマちゃんはエロいからなあ(笑い)」
ツマ氏「せやなあ。て、こないだの仕返しか(笑い)」
おやおや、今日はツマ氏が先に気づいたようですね、相変わらずほほえましいことで、こんな場面を毎度みられるなら雨男も悪くないなと、思う(日野)なのでした。
――
また別の休日にも散歩している。
(日野)が散歩に出るということイコール雨が降るということである。
(日野)は雨男である。
まだ雨は降りませんが、今日もあの夫婦とすれ違います。
今日は雨降りません。そのまま散歩を終えて家に着きました。
(日野)はがっかりしながら思いました。「まあ、雨男やからって外出たら常に必ず雨降ってるわけじゃないしな。」
というか、この話、ダレトク。
ここまでのおさらい
法務担当者の業務に役立つフレームワークをまとめよう、というテーマで
まずフレームワークとはどういうものかを【0057】法務担当者のためのフレームワーク導入 1 of 4から4回にわたり、
次にフレームワークの第1号として法的三段論法について【0061】フレームワークとしての法的三段論法(前) 1 of 7から7回にわたって書いてきました。
いったんここまでをおさらいしておきます。
<フレームワークのまとめ>
- フレームワークとは、物事を理解するための思考の枠組み。
- ビジネスにおいては、経営戦略の立案や業務上の問題解決、現状分析などに使用する仮説思考や論理的分析手法の総称で、例えばPPM
- 「ハンマーしかないとすべてが釘に見える」だからたくさんのフレームワークを知っておくべきだ。
- とはいえ、すべてを使いこなすのは無理だし、受け手がすべてを知っているとも限らない。
- フレームワークも道具でしかない。道具は使い込むことで真価を発揮する。
- それであれば上質なフレームワークに絞ってそれを使い込んでいこう。
<法的三段・前編のまとめ>
・2~3選び出すとすると第一に「法的三段論法」
・「法的三段論法」はこういうもの<髙橋明弘 『法学への招待』>を基に(日野)が作成
論理学上の三段論法 | 法的三段論法 | ||
(大前提) | すべての人間は いつか死ぬ。 | (抽象的法規範:規範定立) | 人を殺した者は、死刑……に処す。 |
(小前提) | シーザーは人間である。 | (具体的事実の認定:あてはめ) | ブルータスはシーザーを殺した者である。 |
(結論) | シーザーはいつか死ぬ。 | (法的結論:結論) | ブルータスは死刑に処せられる。 |
・法的三段論法の各段階を見ていくと
- 「規範定立」の「規範」としては法律の条文が該当し、条文は「要件」と「効果」で構成されている。
- その要件と効果のうち、要件を満たすかどうか確認する作業が第2段階「あてはめ」
- 第3段階では第1段階で提示した要件と効果(AならばCである)のうち第2段階で事実が要件に該当することが確認できた(BはAである)ので事実が効果を導く(だからBはCである)ことを宣言する
・「規範定立→あてはめ→結論」は論理の順序。
・この順序でいくと都合が悪いときがあるので、現実の思考の順序は「結論→規範定立→あてはめ」
この「法的三段論法」については「どういうもので」「なぜ必要で」「どう使えばよいのか」ということを書いていくことをテーマとして挙げ、前編である前回【0067】フレームワークとしての法的三段論法(前) 7 of 7まで「どういうもので」、「どう使うか」、ということを書いてきました。
後編となる今回からは、残りの「なぜ必要か」という点を書きたいと思います。
加えてもうひとつ、「法的三段論法を活用するために知っておくべき注意点」について書いていきます。
–次回につづく–
(追記)投稿当時は現在とちがい、管理人の名称は(準備中)でした。修正して現在の一人称である(日野)等に置換えをしています。