【0299】ノブレス・オブリージュ(利益の比較衡量/権利と義務のバランス 2 of 7)

14-連載-法務三大フレームワーク

前回は「利益の比較衡量」について調べた結果でした、
続いて「権利と義務のバランス」です。
これは定義されたものが見つかっていません。
具体例を挙げながら、意図をお伝えできればと思います。

権利と義務のバランス 具体例1 ノブレス・オブリージュ

権利と義務のバランスといって、(日野)がまず思い浮かべるのが、
ノブレス・オブリージュという言葉です。

この言葉が載っている本を今回必死で探しましたが、意外と見つかりません。

やっと見つけたのが、李登輝『「武士道」解題 ノーブレス・オブリージュとは』という本で、このなかに小学館の辞典が転載されています。

「bo-blesse o-blige [ノーブレス・オブリージュ] 英語・仏語

高い身分に伴う義務:金持ちや身分の高いものは、そうでない人々と助けなければならないという考え方.

【諺】(貴族の身分は義務を課する→)貴族[高い地位にある者]はその身分[地位]にふさわしく振舞わねばならない.

出所:『小学館ランダムハウス英和大事典』『小学館ロベール仏和大事典』

<李登輝 『「武士道」解題 ノーブレス・オブリージュとは』 下線は(日野)による>

「その身分にふさわしい振舞い」というところが(日野)が思い浮かべるノブレス・オブリージュの意です。

数年前、部下が昇格するというときに、当該ランク(職務能力級)にふさわしくない言動(「これからは下のランクの者にこういう雑務をやらせて~」的な発言)を聞いて、「そのランクになるということは、下のランクの者を守らなければならないということだ」ということを言ったのですが、伝わらないままその日の会話は終わりました。

昇格するといろいろの権利がついてくるはずです。わかりやすいのは給料が増えることだと思います。そのように権利が増えるぶん会社はなにを期待するかというと、いろいろとあると思いますが、少なくとも下位ランクの社員を自分の都合で酷使することではないはずです。

–次回につづく–

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