【0300】マンガ・アニメのセリフから(利益の比較衡量/権利と義務のバランス 3 of 7)

14-連載-法務三大フレームワーク

権利と義務のバランス 具体例2 マンガ、アニメから

身近なところで、ひとつめは「鬼滅の刃」から。

炎柱が回想する、幼いころの母との会話です。

(母)なぜ自分が人よりも強く生まれたかわかりますか

(幼杏寿郎)・・・ ・・・・・・ うっ ・・・ わかりません!

(母)弱き人を助けるためです

続けて母

生まれついて人よりも多くの才に恵まれた者は その力を世のため人のために使わねばなりません 天から賜りし力で人を傷つけること私腹を肥やすことは許されません 弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です 責任を持って果たさなければならない使命なのです

吾峠呼世晴 『鬼滅の刃』コミックス第8巻 下線は(日野)による>

下線部分、「弱き人を助けることは強く生まれた者の責務」というところ言い換えると、「強い権利を持つ者は、より弱い権利しかない者を助ける義務がある」となるでしょうか。

責務、責任、義務。

そのような会話を経て、長じて炎柱から発せられる
“俺は俺の責務を全うする!!ここにいる者は誰も死なせない!!”
と発せられるセリフに心打たれます。

おれも期待されている役割を果たさなくちゃなあ、と思ってしまいます。

 

もうひとつ、マンガから。

子どもが見ていたアニメ「鋼の錬金術師」の冒頭が、
近くで家事をしながら耳に入ってきて、名言だなと思いました。
印象強く記憶に残っています。

錬金術とは、物質の構造を理解し、分解し、再構築する科学技術である。

それはうまくすれば鉛から黄金を生み出すことも可能になる。

しかし、科学である以上そこには大自然の原則が存在した。

 

質量が1の物からは1の物しか生み出せない、等価交換の原則。

等価交換の原則は、何かを得るためにはそれと同等の代価が必要であることを示している。

それは教訓なのだろうか。人は何かの犠牲無しに何も得ることはできないと。

アニメ 『鋼の錬金術師』シーズン1第1話 冒頭のナレーションから文字起こし・下線は(日野)による>

等価交換、という言葉が出てきます。何かを得るためには同等の代価が必要であると。
この場合は、1:1で完璧にバランスすることが求められています。

前者の、炎柱の母君のお話は、前回に挙げたノブレス・オブリージュ(その身分にふさわしい振舞い)と同じことと思います。

後者の、等価交換の原則は、次に挙げる簿記の話が近いと思います。

–次回につづく–


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