【0062】フレームワークとしての法的三段論法(前) 2 of 7

14-連載-法務三大フレームワーク11環境整備, 12経営法務/戦略法務, 13予防法務, 14臨床法務, 16内部関係, 17継続関係, 18突発関係, 21基本六法, 22民商法, 23労働法, 24消費者法, 25経済法, 26知的財産法, 61契約手続き, 62リスク管理, 63意思決定, 76資格・試験, 99引用

–前回までのあらすじ–
引き続き「法務担当者の業務に役立つフレームワークをまとめよう」をテーマとして、中華料理人にとっての鉄鍋や字が上手い人の万年筆のように、法務担当者が使い込むのにふさわしい、上質なフレームワークを選びたいのだがさて、その第1号として紹介するのはこちら(ダダダダダ…ダン!)「法的三段論法」(テッテテーーーン!!)、と華々しく登場した「法的三段論法」とは、これがどういうもので、なぜ必要で、どう使えばよいのかを書いていきます。

三段論法と法的三段論法

法的三段論法を説明する上でます大切なこと。

法的三段論法は、その名の通り「三段論法」の一種です。文字を見たまんまの話です。

法的三段論法の紹介のために、まずは三段論法から見てきましょう・


(大前提)すべての人間は いつか死ぬ
(小前提)シーザーは人間である
(結論)シーザーはいつか死ぬ

髙橋明弘 『法学への招待』>を基に(準備中)が作成

(大前提)すべての人間はいつか死ぬ→(小前提)シーザーは人間である→(結論)シーザーはいつか死ぬ

三段論法がどういうものかは、この例をみれば「ああ、これね」となると思います。

これは「論理学上の三段論法」といわれます。より一般化・抽象化するとこうなります。

 

「AならばBである」「BならばCである」だから「AならばCである」

AならばC、AならばB、であればBならばC

こちらは「単純な三段論法」と言っておきます。

就職活動で取り組むことになるSPIであるとか、公務員試験や司法試験予備試験でも問われる「論理学」の分野の話ですね。

いろいろな適性試験に論理学が取り入れられています。論理的思考が必要とされているから試験で問われるのだと思いますが。

こうして問われることが多いので、会社や役所など組織に勤める人の多くは三段論法を知っていると思います。
そして法務担当者は組織の一職種であることに加えて、司法試験を受けている方も多いはずなので、他の職種より法務担当者のほうが三段論法を知っている人の割合が高いのではないかと推測します。

 

ちなみに(日野)は就職氷河期まっただなかに就職活動もすることなく社会に飛び込んでいったものですから、三段論法と呼ぶことはつい数年前まで知りませんでしたが、利用はしていました。

それが前回【0061】冒頭の話です。

雨が降り出して先に気づくオット氏がツマ氏に「オット君はやらしいからなあ」と言われるあの話です。

  • オット氏「…あ、雨降ってきたな」
  • ツマ氏「え?雨?降ってないで。」「…ああ、ほんまや。いま当たったわ。やっぱりオット君はエロいからなあ」
  • オット氏「せやなあ。て、何がやっぱりやねん(笑い)」

この件、「雨に早く気付く人はエロい」という大前提によって会話が成り立っています。

さきほどの例のように、わかりやすく並べてみるとこうなります。

  • (大前提)雨に早く気付くひとはエロい
  • (中前提)オット氏は(ツマ氏より)早く雨に気づいた
  • (結論)オット氏はエロい

地域によっては「雨に早く気付く人は親不孝」とかバリエーションも豊富なので、会話が成立しないカップルも多いのではないでしょうか。(「は?誰がエロいねん、おれは親不孝なだけじゃ!」「は?なに怒ってん。親不孝ってなんの話なん?」とかなったら地獄ですね。

なにが言いたいかというと、このくらい三段論法は身近なものです。

「逆は真」とか「対偶はどう」とかはとりあえず放っておきましょう。

 

三段論法がどういうものかわかったところで、(思い出したところで、というほうが正しいかも)次回、いよいよ、法的三段論法の具体例です。

–次回につづく–

(追記)投稿当時は現在とちがい、管理人の名称は(準備中)でした。修正して現在の一人称である(日野)等に置換えをしています。


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