【0077】フレームワークとしての法的三段論法(後) 8 of 8

14-連載-法務三大フレームワーク11環境整備, 12経営法務/戦略法務, 13予防法務, 14臨床法務, 16内部関係, 17継続関係, 18突発関係, 21基本六法, 22民商法, 23労働法, 24消費者法, 25経済法, 26知的財産法, 61契約手続き, 62リスク管理, 63意思決定, 76資格・試験, 97最終話, 99引用

–前回までのあらすじ–

法務担当者の業務に役立つフレームワークをまとめよう、まずフレームワークとはどういうものかを【0057】を第1話として4回にわたり、次にフレームワークの第1号として法的三段論法について「どういうもので」「なぜ必要で」「どう使えばよいのか」のうち前編として【0061】を第1話として7回にわたって「どういうもので」「どう使うか」を書いてきたので、【0070】から後編として残りの「なぜ必要か」についてふたつの理由「法的争いの終局的解決は裁判によるから」、「他人を納得させる効力が高いから」を挙げて説明し、それに加えて「法的三段論法を活用するために知っておくべき注意点」についても同じくふたつの理由を挙げて書いてきました。

ここまで、法的三段論法を活用していく上で知っておくべき注意点ふたつ挙げてきました。ひとつめ「三段論法自体が持つ罠」で、ふたつめは「すべての問題に使えるわけではない」ということでした。

ただ、ここで挙げた注意点ふたつは、それぞれ使うべき理由ふたつの裏返しでもあるということが重要です。

なにごとも両面がある。強力な道具だからこそ注意点もあり、使用上の注意点がある位の強力な道具でもある、ということです。

これこそ「論点先取」ですかねえ。

 

まとめ

このように使っていく上での注意点もありますが、それでも法務担当としては法的三段論法を使えるようにするべきです。


だが、法的三段論法は、以上のような限界があるにもかかわらず、現在でも、「法の支配」が確立されたほとんどの法システムのもとで、判決を理由づける正当化方式として堅持されている。

<田中成明 『法学入門』>

この引用にある「以上のような限界」はここまでの投稿で記載してきた注意点とは異なるのでご注意ください。

 

ここまで法的三段論法について書いてきました。

ひとつ改めて伝えておきたいことは、この投稿を書いているのは裁判官でも検察官でもなく弁護士ですらない一事業会社の法務担当者である、ということです。

加えていうと、現時点で理解している内容、でしかないです。

ここまでの内容には、まちがっていることもあるかもしれません。今後言うことが変わるかもしれません。(正しさに絶対の自信を持つ段階でないことから、今回のテーマでは全体的に引用が長くなっています。

 

今回このテーマを書くためにたくさんの本を読み直したり、新しく読んだりしました。

この投稿を書き進めながら、ひさしぶりに法学の本を読みながら、それまでの認識を改めることもたくさんあって、「いまの時点で書くのはまだ早かったかもしれない」と途中何度も感じました。

それでも現時点の理解を書いておかないと、これ以上進めない。基となるモノを形にしておかないと、まちがっているかどうかもわからない。そういう想いで書き切りました。

 

そんなわけで、今後変わっていくことを前提に継続的にやっていきたい意図があり、新しいカテゴリーをつくりました。

カテゴリー名は「法務担当三大フレームワーク」です。

まあ、「三大フレームワーク」というくらいですから、「法的三段論法」はまだ第1号でしかなく、「当然あとふたつあるんやろ」と。そういう観点からも、継続していきます。

–完–

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