【0284】幸いでございます問題 2 of 2

14-連載-法務三大フレームワーク

前回【0283】では、
「~してもらえれば幸いです。」とメール文案に書いて驚くほど怒られたという話と、
その方がどういう理由で怒られたのか(日野)なりに感じているところを書いてきました。

その続き、「幸いです」と同列と感じる言葉で、
「なるべく早くしてもらえませんか」があります。
「できるだけ早く~」も同じです。

なる早問題

依頼の受け手からすると、
すべての案件を「なるべく早く」「できるだけ早く」実行しているわけです。

依頼側が言う「なるべく早くしてもらえませんか」の真意はたぶん、
「いますぐ処理してほしい」だと思いますが、
早く返してほしいのは他の依頼者も同じなので、順番は飛ばしません。

依頼側の都合が見えなければ、順番を飛ばす理由がないのです。

「AなのでM月D日までにBを送っていただきたい。
ほかにも案件があると思うけど、Aということだからどうかよろしくお願いします。」

そう言われて、急ぐ理由のAがまっとうであれば、
他案件と優先順位を調整してM月D日までに返そうとするでしょう。

そもそも、仕事なので、指示命令が第一です。
上から下で伝達されている納期が優先です。

言外にある個人の幸いは後回しです。その個人がどんな役職であっても関係ありません。

「なる早」が「幸いです」と同類に感じるようになったのは、
最近です。
この、「言外にある個人の幸い」というのが、その原因のように思います。
新型コロナ感染症対策で、口頭のコミュニケーションが減ったせいではないかと思っています。

口で言う「なるはやでよろしく~」と、
文字で見る「できるだけ早くでおねがいします」「急ぎでよろしくおねがいします」では、
伝わるものがちがうと思います。

文字のコミュニケーションでは、
5W1Hを明確に示すことが、
より重要になっているように感じています。

–次回につづく–


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