【0287】ホウタンのためのフレームワーク導入(再) 2 of 5

14-連載-法務三大フレームワーク

–前回までのあらすじ–

法務担当者の業務に役立つフレームワークをまとめよう、ということでフレームワークとは思考の枠組みであると理解している(日野)がフレームワークの例として挙げるのがPPMで、言葉で説明するより図を見たほうが早いのでもう一度あげときますね。

 

成長率

シェア

段階

問題児

育成

花形

現状維持

金のなる木

投資を抑えて資金回収

負け犬

撤退

(あらすじここまで)

ここで例に挙げたPPMのように、フレームワークを利用すると非常にわかりやすい。

「もうこの事業はだめだからやめましょう」と言われ、あれこれ説明されても、
その事業を担当するほうに身を置いてみれば、
「もうやめましょう」
の言葉だけで逆上してしまい、あとの話は頭に入らず抵抗し続けるわけです。
これが、PPMを理解している人に四象限を書いて「現状この事業は負け犬にプロットされます」といえば、
直感的に判断します、「ふつうに考えたら撤退だな」と。

これがフレームワークのよいところで、共通のフレームワークを持つことでその当事者間では説明を省略することができます。

加えて、事業を担当するほうはこう考えるはずです、
「ふつうに考えたら撤退だな。さて(このフレームワークにそって)どう反論しようか」と。

無意識に「このフレームワークにそって」考えてしまいます。

ケンカじみた言い争いではなく議論に持っていける、というのでしょうか。
議論の筋道を呈示することができます。

 

もうひとつフレームワークのよいところは、ゼロから組み上げなくてもよいことです。

さきほどの例で「A事業はもうだめだ、撤退の判断をしてもらいたい」と考えたときに、

そのA事業を担当する方々に対してどう説得するでしょうか。
ゼロから考えるとなると、その事業の悪材料(例えば収益性の悪化とか)を探すところから始めることになります。
一方でPPMという枠組みを知っていれば、「まず市場成長率とシェアを調べるか」ということになります。

あてずっぽうに数字を集めるのと、2つの数値を確認するのでは、手間も時間も大きく変わってきます。

 

–次回につづく–

 


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