【0263】ホウタン的人体力学 3 of 4

91-ホウタン的××入門

さて、【0261】ホウタン的人体力学 1 of 4で、

  • 年末年始が寒くて、(※1)
  • お腹痛くなったけど、温めると楽になったし、(※2)
  • 温めた結果、睡眠も改善された、(※3)

という話を書きました。

疑問点をひとつひとつ確認していくことがホウタンの仕事のはじまりだと思いますので、
これら※1※2※3をホウタン的に検証してみよう、というのが今回の「ホウタン的人体力学」のお話です。

前回【0262】ホウタン的人体力学 2 of 4は※1の検証でした。
今回は※2「お腹痛くなったけど、温めると楽になった」という点を検証していきます。

【0261】ではこのように書いています。

症状といえば、お腹が痛いです。
お腹が重く、お腹が心臓のようにドクドクと脈打っているのを感じます。
お腹というのはヘソのあたり。ヘソあたりの内部に石が入っているかのように重いです。
お腹というか胃のような気がします。お腹がすくとキリキリと痛みます。
痛いので食べるといつになくゲップが出ますし、何度も軟便でお尻も痛くなってきました。
ただ、お酒を多めに飲んだ翌日が特につらいので胃ではなく肝臓かもしれません。

胃なのか、肝臓なのか、この症状の原因は何なのか、その時はわかっていませんが、
とにかく事実なのは、横になると楽ということです。
そしてもうひとつ事実なのは、温めると楽になるということです。
横になり温めると楽ということに気づいてからは、電気式の湯たんぽを腹に抱いて布団に入っていました。

この部分に関しては、確認したいことが2つあります。

ひとつは「胃or肝臓が痛いと全身がだるいのはなぜか?」ということです。
胃も肝臓も内蔵です。内臓の不調によって全身が、
起き上がっていられないくらい体全体がだるくなるのはなぜでしょうか。

確認したいことのもうひとつは「温めると楽になるのはなぜか?」ということです。
「お腹痛い→温めると楽」、逆に言うと「冷える→お腹痛い」です。

「内臓不調→全身だるい」「冷える→お腹痛い」どちらも経験上はそのとおりなのですが、
なぜそうなるのか、メカニズムは理解できていません。
そこをはっきりさせようというのが、今回の内容です。

前回【0262】年末年始寒かったのかの検証は苦労しましたが、今回も難航しました。

「内臓が調子悪いと全身がだるいですね」と書いてある本はありますが、
その原因、「内臓不調→全身だるい」のメカニズム
を書いてある本が見つかりません。

なかなか見つからない中で、今回ラッキーだったのは、
「内臓不調→全身だるい」「冷える→お腹痛い」のふたつを同時に考えたことです。

「冷える→お腹痛い」、
「冷え」の観点からも同時に探したときに、ようやく
「内臓不調→全身だるい」を理解する糸口をつかむことができました。

この本です。
進藤義晴『新版 万病を治す冷えとり健康法』

この本に、次のように書かれています。

(1)肝臓が悪いとなぜ体がだるいか-五臓の親子関係
よく体がだるくてしょうがないという人がいます。こういう人は、実は肝臓が悪いのです(…)漢方を勉強するとわかるのですが、五臓がおたがいに親子の関係にあるのです。その中で、肝臓は腎臓の子になっています。すると、人間と同じで、自分の具合の悪いのは親に助けてもらおうとする。肝臓の毒を腎臓に引き受けてもらうのです。そうすると、こんどは腎臓が弱ってくる。(…)肝臓が悪くなるとまず腎臓が弱ってくる。副腎皮質に影響がきてスタミナが落ちる、だから疲れやすい、体がだるいということになります。

進藤義晴 『新版 万病を治す冷えとり健康法』p57-58 下線は(日野)による>

肝臓が弱ると腎臓が肩代わりしてくれる。腎臓に影響が出て疲れやすくなる。
「内臓不調→全身だるい」を見事に解明してくれています。

この五臓の親子関係は「相生」というようです。

–次回につづく–


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