【0305】利益の比較衡量/権利と義務のバランス おまけ

14-連載-法務三大フレームワーク

権利と義務のバランス 具体例8:ランクと役職

我が社に、同世代と思われるAさんとIさんがおられたときのことです。

(日野)が入社したときにはおふたりとも係長クラスだったのが、
AさんとIさんは課長として他の職場に異動をなされてバラバラになりました。

数年経ってからおふたりともが((日野)がいる)元の職場に戻ってこられました。
その際の役職は、Aさんは部長、Iさんは課長でした。

ひさしぶりに会ったIさんに(日野)が「Aさんが偉くなりましたね」と言いますと、
Iさんは言いました。
「役職が上というのは偉いということではない、役割がちがうということ」だと。

この会話で(日野)の人生観は変わりました。偉いではなく役割のちがいであると。

役割というのは、劇の役割と同じ意味です。
Aさんは部長の役をするように命じられたから部長を演じ、
Iさんは課長の役をするように命じられたから課長を演じているのです。

役を演じているのであって、人格は隠されています。

役職の上下と人として偉いか否かは別問題。

具体例1で挙げたノブレス・オブリージュ(高貴なるものの義務)と同じかもしれません。
ランクの上下で振舞いを変えること、
上位職位者らしく演じること・下位職位者らしく演じること。
同世代の友だちとしてプライベートとは切り離して、職務として役割としてそれらを意識的に演じること。

おふたりの言動から、そのようなことを学びました。

(日野)の部下との接し方も
「同じ釜の飯を食う」ウェットなスタイルから脱却して、
役割を認識して演じるドライなスタイルに変わったのはIさんのおかげです。

前者(同じ釜の飯スタイル)ははまれば良いのですが、相手を選びます。
後者は技術なので、あまり相手を選ばずより多くの人に対して有効な手段となります。

 

さて、今後の「法務三大フレームワーク」では、このような事例を、

「法的三段論法(論理的思考:演繹法と帰納法)」
「5W1H /八何の原則」
「利益の比較衡量 /権利と義務のバランス」

法務三大フレームワーク全体について、
補足すること、本を読んでいて見つけた具体例、フレームワークの活用例など、
気づき次第書いていきたいと思います。

–完–


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