【0304】利益の比較衡量/権利と義務のバランス 7 of 7

12-連載- ビジネス法務の実践

法務三大フレームワークとして
「法的三段論法」「5W1H /八何の原則」「利益の比較衡量 /権利と義務のバランス」と挙げてきました。

「5W1H /八何の原則」のさいごに「利益の比較衡量 /権利と義務のバランス」とのかかわりが出てきたり、

2016年に投稿していた「法的三段論法」のなかですでに「利益の比較衡量 /権利と義務のバランス」に触れていたりと、

3つは別個のものというより、それぞれが絡み合って効果を発揮するものだと、あらためて思いました。

①事実を見極めるための「5W1H /八何の原則」
②見極めた事実から価値判断をするための「利益の比較衡量 /権利と義務のバランス」
③価値判断から導かれる結論に論理的根拠を与える「法的三段論法」

というところでしょうか。
ただ、①②③というのは、手順でもなく、重要度による序列でもありません。

②の価値判断においてまちがった価値判断をしないために、
過去の裁判例で採られた③法的三段論法の事例を大量に読み込み、
自己の思考回路に組み込まれていることが大切だと感じます。
②の前提としての③という意味です。

そして、①5W1Hを埋める情報収集をするまえに、
②価値判断や③における規範定立によってある程度のあたり(何を調べるべきかの見当)をつけておかないと、無限に近い時間を使うことになります。

このように、
「法的三段論法」「5W1H /八何の原則」「利益の比較衡量 /権利と義務のバランス」3つのフレームワークが絡み合いつつ、
重要度において順位付けされることもなく、それぞれが独立したものとしても在ります。

–次回につづく–


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