【0016】リスクとは その1

12-連載- ビジネス法務の実践62リスク管理, 99引用

(追記)投稿当時は現在とちがい、ブログタイトルは「(名称準備中)が実践するビジネス法務」であり、管理人の名称は「(準備中)」でした。

ビジネス法務の実践 4 of 10

 前回は、商法の考え方から「ビジネス」を定義しました。
少し目線を高くして、事業戦略に関する記述から知恵を借りましょう。

 


 事業経営の要諦は、「事業リスクの最小化」と「事業機会の最大化」です。その両輪によって「事業の競争力」を持続的に保持・強化・革新していくことが求められます。

<経済産業省特許庁(監修) 他『事業戦略と知的財産マネジメント』社団法人発明協会>

 競争力を持続的に保持するためには、「事業リスクの最小化」と「事業機会の最大化」というふたつの要素が必要なようです。

 リスクという言葉が出てきました。この言葉について、見ていきましょう。

 

 「リスク」はよく使われる言葉で、会社内の打ち合わせで、参加者のひとりが前例のない提案すると、「それはリスクがあるなあ」などと、別の参加者が言ったりします。

「じゃあやめときましょか」となることがありますが、その前にその人がいう「リスク」とはどういう意味なのかを確かめる必要があります。
 なぜでしょうか。

 それは、リスクにはふたつの意味があるからです。


 リスク<risk>①危険。②商売などで損害を受ける可能性

<松村明 他『旺文社国語辞典 第九版』旺文社>

 

 ②は、別の言い方をすると、「結果の不確実性」とか「結果にバラツキがある」と言えます。

「リスク」という言葉を発した人が、このふたつのうち、どちらの意味でこの言葉を使っているのかでそれへの回答は変わります。

 

 このふたつでどう違うか。それを考えるときによい事例があります。

 ビルから転落するという状況において、イ)3階建てのアパートの屋上から、日中に転落する場合 と、ロ)30階建てのビルの屋上から、深夜に転落する場合 では、どちらのリスクが大きいか。

 …よいことではないですね(笑)
 よい事例というのは、リスクということを考える上ではよい事例という意味とご理解ください。

 イ)とロ)で、どのような結果が生まれるか、少し想像してみてください。そして、どちらのリスクがより大きいか、考えてみましょう。

 


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