【0039】ものごとの順序と大小関係 4 of 4
大小関係についてここまで過去3回にわけて書いてきました。ざっとまとめておきます。
章立ては、 編>章>節>款>目 条>項>号
項目番号は、 1.>(1)>①>ア.>(ア)>㋐
でした。
ただ、この順位の決まりは絶対的なものではないこと。
そして、その順序より、「同じレベルの項目建てになっているか」、「どれとどれが同列なのかを大づかみにできるかどうか」が重要である、ということで例として都道府県とその市町村の並べ方を見てみました。
順序をどうするかは「決め」の問題で、組織内ならその組織の文化に従って、組織外なら凡例などをうまく使って、書き手と読み手の認識が一致していればよいということです。
契約書における「項・号」の表記の仕方
さて、項目番号の付番の仕方で迷うのは、契約書における「項・号」をどうするか、というのが多いのではないでしょうか。
参考に、六法はどう表記しているか、民法13条を例にして見てみましょう。
まずは六法日本代表(?)の有斐閣「判例六法」はこうなっています。
”
(保佐人の同意を要する行為等)
第一三条① 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。(但書略)
一 元本を領収し、又は利用すること。
(第2号~9号略)
② 家庭裁判所は、(以下、略)
<有斐閣 『判例六法』>
”
続いて、変化球(になるのでしょうか?)、日本評論社の「学習六法」はどうでしょう。
”
第一三条(保佐人の同意を要する行為等)①被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。(但書略)
(一) 元本を領収し、又は利用すること。
(第2号~9号略)
② 家庭裁判所は、(以下、略)
<日本評論社 『学習六法』>
”
どうやら第1項は「①」などの丸数字、第1号は「一」とか「(一)」で漢数字のようだな、と規則性が見えかけたところからの次の例をどうぞ。
”
第13条(保佐人の同意を要する行為等)
1 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。(但書略)
① 元本を領収し、又は利用すること。
(第2号~9号略)
2 家庭裁判所は、(以下、略)
<早稲田経営出版編集部 『司法試験・予備試験 逐条テキスト2 民法』>
”
ここでは第1項は「1」、第1号は「①」です。
先に挙げた2つの例と『逐条テキスト』とでは、項・号のほかに条番号の表記が異なっています。
先に挙げた2つの例は「第十三条」で、『逐条テキスト』は「第13条」です。
漢数字か算用数字かのちがいです。
漢数字と算用数字で書き分けをする理由はなにか、その理由の代表は「縦書き・横書き」のちがいではないでしょうか。
実際、先に挙げた2例の六法は縦書きで、『逐条テキスト』は横書きです。
さて、契約書を起案するときは、
縦書きなら、第十三条-第①項-第一号
横書きなら、第13条-第1項-第①号
としておけば妥当というか、変人扱いされることはないでしょう。
(変人扱いされると交渉に影響が出そうなので、それを避けるためにという意味で)