【0042】指令、役員全員の住民票を集めよ 2 of 8

10-ビジネス法務16内部関係, 18突発関係, 22民商法, 42委託契約, 94伏線・回収, 99引用

~あらすじ~
法人で、就任登記や許認可申請のために役員の住民票の写しが必要になることがあります。
そんなときに本人に対して準備するようにおねがいしても、期待外れの行動をされる場合がほとんどです。おねがいするのではなく、自分でとりにいきましょう。
通常本人がすることを、他人が申請する。いわゆる代理、民法でいう「委任」です。


委任[いにん] 弁護士に訴訟を依頼する場合のように、当事者の一方(委任者)が他方(受任者)に対して法律行為を行うことを委託し、受任者がこれを承諾すると成立する諾成契約(民643以下)。

<有斐閣 『ベイシック法学用語辞典』>

代理申請をするために、なんとしても委任状が必要だ。

この委任、受任者が本人から正式な委任を受けているかどうか、第三者からは判断がつきません。
いわゆる、無権代理の話です。

無権代理とか表見代理とかは民法が絡む資格試験の勉強では必ず出てくる、しかもそれなりにページ数を割かれる重要な論点です。
理論的な法解釈のやりかたを語るために都合がよいのでしょう。確かに面白いです。それにしてもややこしい。
なんらかのきっかけで民法・商法・会社法の勉強をし始めた人が、テキストの割と早い段階で出現する、行為制限や表見代理のあたりでつまずいて勉強をやめてしまうことがあるとすればとても残念です。(実際(日野)は、勉強をやめなかっただけで、この論点で5回6回つまずいている。重要なんだろう、これが理解できないなら法務はできないのだろうと。しかし、実務上この論点が問題になったことなど一度もない

そんなややこしい論点も実務上はただ一言で済みます。

「委任を受けていることを証明できるように、一切の隙がなく無駄もない委任状を用意しましょう。」

ただそれだけです(不動産を取扱ったり、建設に関わる業界だとそう簡単に言えないと思いますが)。


戸籍謄本の申請は(…)委任状を作成すれば代理人による申請も可能です(【図表9】参照)。

 

委任状

 私は、東京都世田谷区○○1丁目2番地3号 甲山乙夫 を代理人と定め、下記に関する一切の権限を委任します。

委任事項

1.戸籍謄本・抄本一通の交付申請の件

平成26年○月○日

山田太郎 ㊞

委任者住所 東京都世田谷区△△3丁目6番地8号

委任者本籍地 東京都世田谷区○○一丁目110番地

以上

 

<上原敬 『図解でわかる 戸籍の見方・読み方』>

一般的な委任状の記載事項は、この例にもあるように、下記の3点です。
①受任者の氏名・住所、②委任者の住所・氏名、③委任する事務と委任した日付け

住民票の写し交付申請に必要となる委任状の様式は、各自治体のwebページにアップされているのでそれをダウンロードして使用すればよいと思います。(自治体のwebページは、「大阪市 住民票 委任状」などと検索すれば該当ページに辿り着けるでしょう。

このアップロードされている様式を見ていると、委任者の署名が要求されている場合がほとんどなのでそこがポイントです。

 

⇒(このページは準備中です。)署名と記名についてはこちらのページもご覧ください。

 

次回へつづく

(追記)投稿当時は現在とちがい、管理人の名称は(準備中)でした。修正して現在の一人称である(日野)等に置換えをしています。


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