【0043】指令、役員全員の住民票を集めよ 3 of 8

10-ビジネス法務16内部関係, 18突発関係, 22民商法, 42委託契約

~あらすじ~
法人で、就任登記や許認可申請のために役員の住民票の写しが必要になるとき、役員本人におねがいするのではなく、自分でとりにいく、いわゆる代理請求、民法でいうところの「委任」、この委任、民法の学習上は、無権代理・表見代理という重要な論点を含みますが、実務上は(このレベルの話であれば)ただ一言、疑う余地のない無駄もない委任状を用意すれば足ります、住民票の写し交付申請に必要となる委任状の様式は、各自治体のwebページにアップされているのでそれをダウンロードして使用すればまちがいがないです。

さて、各自治体の様式を参考にすれば無権代理を疑われる余地はありません。

もうひとつ実際上のポイントを挙げておきます。
それは、「申請書に書くべき事項の記載を要求する様式にしておく」ということです。

たとえば、住民票の写し交付申請書には、生年月日と世帯主氏名の記載が必要になります。
委任状をもらって、さて申請書書こうか、というときに改めて生年月日と世帯主氏名が記入事項だと気づいたとしたら、再び本人に質問することになります。
それであれば、委任状の様式には住所・氏名に加えて生年月日と世帯主氏名を書く欄を用意しておけば聞く手間が省けます。

二度手間を非効率だと経済学的に糾弾する以前にそもそも、何度も役員にお願いしたくない(もっとストレートにいえば、かかわりたくないメンドクサイ)というのが代理取得の動機でした(そう思っているのは(日野)だけかもしれませんが)。
記入欄があると埋めたくなるのは、偉くなっても変わらないようです。
欄があるとそこを空欄で提出することにためらいを持つという性質を利用しましょう。

委任状の様式をつくる前に、取得したい書類の交付申請書を眺めてみて、どういう情報を書かせるべきか確認しておくこと。
これが委任状をもらうときのコツです。

OK、あとは交付申請をするだけだ。

正しい委任状を受け取ることができればもう指令は達成したようなものです。委任状のほかは、自分自身の住民票をとりにいくときと同じだからです。

その役員の住民票がある市区町村の役所にいって、交付申請書を提出します。
申請者(=受任者=自分自身)の本人確認書類を求められるので免許証をみせて、手数料の数百円を支払えば終了。

窓口で待つ時間も自分の住民票をとるときとさほど変わりません。
とはいえなぜだか自分自身の申請のときにはないドキドキを感じます。

行ったさきでの交渉もない出張、ちょっとした旅行気分でよいものです。
会社役員になるとやっぱりこんなええとこ住んでるんやねえ、などと考えながら気軽にいってみましょう。

と、いきたいところですが、

役員の住民票が必要なときというのは就任とか許認可申請なわけで、他にも大量の書類や、別の手続きに忙殺されていることが多いです。担務によっては就任の株主総会の事務もやることになっていたら旅行気分どころではないですね。

そんあ手数が足りないとは別の理由でいけない場合もあります。
本籍地の証明書が必要だが、その役員の本籍地が会社事務所とはまったく別地域のとき。たとえば大阪の会社で社長の本籍地が北海道だったら、「証明書取りに北海道いってきます~」なんていうのは出張許可が下りないでしょう(それこそなんとか時間やりくりして行きたいところですが)。

じゃあ本籍地が遠いときにどうするんだ。長期休暇の時期に本人がいくしかないのか。

それはそれでいいと思うのですが、そうゆったりともさせてくれない日本。
できない、となると誰もがあきらめるのに、無理をすればだいたいのことはできてしまう。

郵便があるんですよね。それも優秀な郵便網があるんですよ。

え!?郵送でできるんですか??

と前フリだけしておいて、次回へつづく

(追記)投稿当時は現在とちがい、管理人の名称は(準備中)でした。修正して現在の一人称である(日野)等に置換えをしています。


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