【0111】資格試験ランキング 3 of 7

10-ビジネス法務76資格・試験, 99引用

【分類C】相対試験・絶対試験

さて、ここまで資格試験を分類してきましたが、
まず【分類A】として国家資格か否か、
次に【分類B】として資格か検定か学位かという話を書いてきました。

続いて【分類C】です。
ここでは相対試験か絶対試験か、という話です。

まず、「絶対試験」です。
絶対試験は、他の受験者の出来に関係なく、7割以上を得点すれば合格というように、絶対的な合格基準がある試験です。
技能士検定や日商簿記検定など一定の能力があることを認定する試験である検定試験は絶対試験であることが多いです。
例外的に、日商簿記1級や全経簿記上級のように検定試験なのに相対試験というのもあります。このふたつは税理士の受験資格が与えられるために相対試験となっているのかもしれません。

絶対試験に対して、「相対試験」です。
相対試験は、受験者の上位何名とか上位何%などの相対的な基準で合格者が決まる試験です。
試験によっては配点も受験者の出来によって変わります。たとえば、多くの人が正解している問題により大きな点数がくる・難問に正解しても他の誰も正解していなければ点数がもらえない、など。
相対試験では、優秀な人が集まった年は上位に入るのが難しくなり、合格するのが難しくなります。

たとえば「××士の試験」を受けるときに、その××士が公務員の再就職先として設定されたような資格であれば、たまたま団塊世代の退職でその資格に就く人が増えそうだという年に当たれば合格者人数が絞られることになります。合格者数が絞られれば合格するのが難しくなるということで、自分の努力とは無関係なところで合否が決まる部分が多くなります。
非常に理不尽な仕組みですが、「××士の資格試験」というのは、××士になるための選抜試験・就職試験に近いものでありますから、相対試験が多くなります。

××士の業務をするために試験勉強を頑張る身としては、そんな公務員優遇は許せんという気持ちもありますが、かなしいかな、通常××士に相談に行くときは、できるだけ当局OBの先生にお願いすることが多いです。仕方ないかなと思います。

 

××士って、たくさんあるけど、どれがどうなん?ん?士業??ってそもそも何だっけ

ここまで、いわゆる資格試験というものについて、
国家試験か否か【分類A】、
資格か検定か学位か【分類B】、
相対試験か絶対試験か【分類C】、
ということを書いてきました。

もともとは、業務上お付き合いの多い先生方、法務担当者にとって公私ともに身近な士業というものを整理してみようというテーマです。

いったん元の目線に戻ってみて、

法務担当が業務上相談にいくことが多いのは、
弁護士、弁理士、税理士、社労士といった先生方ではないでしょうか。

このような諸先生方は、よく士業とか呼ばれます。

このような先生方、いわゆる士業になるための試験は、ここまでの分類でいうと、
国家試験であり、
資格試験であり、
相対試験である、ことが多いようです。

5行くらい前に「よく士業とか呼ばれます」といいました。

士業とはどういう人たちでしょうか。
調べてみましょう。

 

まず、(日野)が持っている辞書に「士業」という言葉はありませんでした。

旺文社国語辞典にないので他の国語辞典にあたってみました。
岩波国語辞典、三省堂国語辞典、新明解国語辞典(…)。

小型ではダメかと中型もみてみます。広辞苑、広辞林(…)ないのです。

国語辞典でダメならじゃあ法律事典はどうだ。と
有斐閣法律学小辞典、有斐閣法律用語辞典、三省堂コンサイス法律学用語辞典(…)

・・・ありません。

ここまで辞書にない言葉にあたるのは珍しい。

 

さて、「士業」という単語はよく使います。
でも実は、そんな言葉ないようです。

一般的な言葉だと思って使っていると、実はそうでない、
こういう言葉、意外とたくさんあります。

「士業」というのも、そのひとつだとわかりました。

 

–次回につづく–


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