【0130】ホウタン的日本酒入門(後) 1 of 4

91-ホウタン的××入門96第一話

–前回までのあらすじ–

日本酒好きの部長の送別の品の企画・制作の任を受けた(日野)は、部員全員の出身府県の地酒300ml瓶を詰め合わせを用意したところ(日野)の手許に20本弱の日本酒が残ったので、かねて抱いていた「“純米大吟醸”というやつは同じ香りがする。日本酒の香り味わいの違いはどうやら酒造の所在地より造り方のちがいに起因するようだ」という仮説を検証するべく「純米酒」と書かれた酒から飲み比べてみるもすべてちがう香りと味わいで、仮説は崩れ、仮説が崩れるとそれは疑問に変わりました。まずはラベルに書いてある「大吟醸」「純米吟醸」「本醸造」「生貯蔵」「生酛」「生一本」…などの文言に対する疑問は国税庁告示第8号(平成元年11月22日、最終改正平成29年国税庁告示第4号)を読み解けばよいとわかりました。ここで特定名称と製造工程を学ぶことになります。

 

【転1】味わい方1。二軸四象限のマトリクスで分類する

前回までで特定名称や造りによる表記のちがいなど、ラベルの記載内容に対する疑問に対する答えを書いてきました。

一方で、ラベルの表記と飲んだときの感じ方が異なることがあります。

以前の(日野)であれば大吟醸といわれれば華やかな(文字どおり?花の)香りを思い起こしていましたが、立ち香が穏やかな大吟醸もあります。

ラベルに記載するべき内容は法令等で定められていますが、ラベルにどう書かれているかよりも飲んでみてどう感じるかの方が重要です。

どう書かれているかよりも、飲んでどう感じるかのほうが大切です。

とはいえ、素人としては飲んでそのままどう感じるかと問われても困ってしまいます。

感じ方の基準というのか、目安というのか、そういうものが欲しいものです。

そこで日本酒を味わいや、感じ方で分類する方法を探してみました。

 

まずひとつめ、

タテ軸に香りの強弱、ヨコ軸に味の濃軽をとった四象限で、図にすると下のとおりです。

日本酒は同じ銘柄の中でも使用米や製造方法が異なれば味わいは違う。純米酒、純米吟醸酒といった酒の種類さえも、精米歩合や原料などの規定を満たしたもので、香りや味わいには大きな差が生じる。純米酒だから大吟醸酒だから「味わいはこうだ」とは一概に断言できず、大吟醸酒の中にも甘口もあれば、辛口もある。

そんな、厄介さを抱えた日本酒を理解する目安が著者と日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会の考案した4つのタイプ分類である。日本酒の4タイプとは「薫酒」「爽酒」「醇酒」「熟酒」である。(…)味わいを横軸に、香りを縦軸にとり、(…)4つのタイプそれぞれに相性のよい料理の傾向や飲用温度、適した酒器、その場に応じた楽しみ方がある。

<木村克己『日本酒の教科書』p75-77>

上記引用の著者以外にも多くの書籍やブログ等で紹介されている分類で、いま最もポピュラーな分類と思われます。

(日野)が最初に出会ったのもこの分類で、とてもわかりやすいと感じた覚えがあります。

–次回につづく–


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