【0137】ホウタン的日本酒入門(おまけ)2 of 3

91-ホウタン的××入門

地酒の飲み比べにはいろいろの楽しみがあります。

地域によるちがいを感じること、

同じ地域でも蔵によるちがいを感じること、

原料や造りによるちがいを感じること、

それらを感じることで日本酒とはどういうものかを理解すること。

このような違いを感じて日本酒というものを理解しながら、ゆくゆくは各地の代表銘柄の特徴を知って、仕事などで初めて会った人とも出身地域の地酒の話から親睦を深められたらいいなあと思っています。

そんな夢のような楽しみはありますが、ビール党だった(日野)が日本酒を飲み続けようとすると、日々の晩酌に合う日本酒を見つけ出すことが喫緊の課題だったりします。

【オマケ2】最高の晩酌酒を探す

いろいろと探している中で選ぶ視点として次の5点に集約されていきました。

  • ア)値段。
  • イ)出来の良し悪し
  • ウ)食べ物の邪魔をしない
  • エ)やる気に満ち溢れるときも疲れているときでも飲める
  • オ)口に合う、飲み飽きない

ア)値段
このなかでは、晩酌となると日々のことなので
どうしてもア)値段から入ってしまいます。
他の条件がどんなに合ってもこれが一升4000円也では時に鯨飲したいときに無理があります。

イ)出来の良し悪し
イ)出来の良し悪しはア)値段とぶつかります。
やはり、安かろう悪かろうは多いです。大学キャンパスの近辺にある居酒屋の飲み放題メニューに在るような酒はさすがにもう飲めません。

 

ウ)食べ物の邪魔をしない。
晩酌と晩御飯を両立させる必要があります。立ち香が香水のように香るものは、まずご飯には合いません。特に日本の晩御飯によく食べられるようなモノ(たとえばイメージでいうとスーパーのお総菜コーナーに並んでいるようなモノ、幕の内弁当、生姜焼き弁当、焼き鳥、焼きそばなど)と組み合わせが悪いです。

 

エ)やる気に満ち溢れるときも疲れているときでも飲める
エ)はイ)出来の良し悪しと似ているようですが違う次元の話です。

やる気に満ち溢れているときは飲みやすいものをゴクゴクとそれこそ鯨のように飲み下して量を飲むことが明日への活力となります。一方で疲れているときというのは、甘口というのか辛みの感じないものをじっくりじっくりと飲む方が疲労回復につながります。

それと、燗でもおいしいかということもこのイ)で重要な要素になります。

飲食店で出される日本酒は冷酒が多いです。文字通り華やかに香る吟醸酒を冷酒でカコーンカコーンと飲めばそりゃあ次の日に頭も痛くなります。

疲労回復の意味では燗がいいです。よい燗酒はゆっくりとじんわりと酒を味わうことができます。その染み入る感じが量を飲まなくても満足感につながり、よい睡眠と翌日のよい目覚めにつながります。

 

オ)飲み飽きない
最後にオ)飲み飽きないというのは、うまいのだけど飛びぬけた個性はなくきれいにまとまっていて、何を合わせてもそれを引き立てることができる。

これは単独の視点というより、ア)~エ)の総合によって決まるものかもしれません。

 

これらの視点があるなかで、最高の晩酌酒を選ぶなら、現時点では

菊正宗 上撰さけパック・生酛純米」です。

<菊正宗公式Webページより転載>

 

選ぶ視点のア)~オ)のすべてをクリアしてしまう。レベルの高い酒です。

通販だとこのくらいの値段です。

しかも紙パックだから容器の処分も瓶より手軽です。

その紙パックには次のように書かれています。

うまいものと見ると、

辛口のキクマサが飲みたくなる。

辛口のキクマサを飲むと、

うまいものが食べたくなる。

(略)

【生酛 純米酒の味わい】

単純ではなく幅のある香味と、生酛特有の「押し味」と呼ばれる、奥行きのある

深い味わいが特長の純米酒です。

この口上には感動します。

このキクマサ呑んだらうまいモノ食べたくなります。食べた結果うまくなくていいけど、なんせ食欲が湧くというのは大切なことだと思います。

それは冷たいビールをカッコンカッコンと飲んでいても、ウイスキーやフランデーを嘗めていても至らない状況です。

 

また、「押し味」という表現がありますが、菊正宗の味わい、風味や個性がしっかりとあり、冷やでグビグビにも使えますし、燗にするとより味わいにひろがりが出て、チビチビのみで真価を発揮します。

 

たまの飲み会で飲み放題の日本酒が菊正宗というお店に出会うととてもうれしく、また行きたくなります。(某大手蔵の上撰(原料は、米・米こうじ・醸造アルコール、でした)を飲んだ翌日に必ず体調が悪くなる経験をしてからは、家では純米酒しか飲まないようになりましたが、外飲みとなると、キクマサなら本醸造でも構わず、どうかすると本醸造のほうがうまく感じることもあります

すべての飲食店、せめて京阪神にある飲食店では、飲み放題でも菊正宗・上撰を置いておくと、日本酒通も満足できると思うのだけど、そうでもないのかな、菊正宗の個性があるから嫌いな人は嫌いなのかも知れないな。

 

まあ少なくとも(日野)にとっては菊正宗の上撰は最高の晩酌酒であり、最高の食中酒です。その意味で最高の日本酒だと思っています。

 

–おまけ2完–


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