【0218】古典を読む 1 of 4

21-読解する技法

さて早速ですが、【0215】バーバラ・ミント『考える技術・書く技術』を読む
で次のように書きました。

さて、この重要性の判断、帰納法で論点を設定し、演繹法で判断するわけですが、

これは、バーバラ・ミント『考える技術・書く技術』にあるピラミッドストラクチャの一部です。

(日野)は、なにか

考えるときは(ロジカルシンキングやクリティカルシンキングの本はたくさんありますがやっぱり)この本に戻ってくることになります。

下線部分“やっぱりこの本に戻ってくる”とありますが、
なぜこの本に戻ってくるのかというと、この本が古典的な本だからです。

古典と呼ばれる長く読み継がれている本は得るものが多く、
困った時に手に取ることも多くなります。

 

さて、ここで古典的な本といいましたが、そのような役に立つ古典についてまとめてみます。

 

まず、言葉の意味から、古典とは。とりあえずはいつもの旺文社国語辞典です。

こてん【古典】古い時代につくられ、長い年月の評価に耐え、今の時代においても芸術的または史的価値の認められている書物やその他の芸術作品。

こてんてき【古典的】①古典としての趣や価値のあるさま。②古典を重んじ伝統や様式を尊ぶさま。

松村明 他 『旺文社国語辞典 第九版』

なんだかピンとこないのでもう1冊、大辞林ではどうか。

こてん【古典】①学問・芸術などの分野で、古い時代に作られ、長い年月にわたる鑑賞を経て、現在もなお高い評価を受けている作品。②③省略。④古い時代に書かれ、典拠として受容されている書物。

こてんてき【古典的】①古典の趣・風格を備えているさま。②古典の作風や伝統的な様式を重んじるさま。クラシック。

松村明 他 『大辞林 第二版』 下線は(日野)による

こちらのほう、大辞林の記載がしっくりきました。

“古い時代に作られ、長い年月にわたる鑑賞を経て、現在もなお高い評価を受けている作品”
が古典です。

では、具体的に書名を挙げるなら、何を古典というのか。

こんなことを書いていたら古典を紹介している本の広告をみかけました。

「最近、本の質が落ちた」と感じる人が多いと聞く。無類の読書家であり経済学者の著者は、そんな人にこそ「古典を強くすすめる」という。「古典に新しい情報はない」と思うのは早計だ。組織のメカニズムを知りたければトルストイの『戦争と平和』、人を説得する術を知りたければシェイクスピアの『マクベス』。人が作った組織や人間の心理は昔から基本的に変わっておらず、トルストイやシェイクスピアといった洞察力を持った作家が書いたものは、現代人に多くのことを示唆するのだ。

野口悠紀雄 『だから古典は面白い』広告文より 下線は(日野)による>

上はECサイトから拾ってきたもので、
トルストイ『戦争と平和』とシェイクスピア『マクベス』が挙げられていますが、
(日野)が実際に見た広告とちょっとちがう。
もっと何冊も列挙されていたような気がします。

読み終えた新聞を開きなおして探して、見つけました。

(日野)が見た同書の広告には次のように書かれていました。

  • 説得術を学びたいなら聖書を読もう
  • 組織のメカニズムを知りたければ『戦争と平和』を
  • 人間操縦術が知りたければ『マクベス』を
  • アンチエイジングが気になるなら『ファウスト』を
  • 人生を豊かにしたいのなら『アンナ・カレーニナ』を
  • 日本の歴史のピークを知りたければ『坂の上の雲』を …ほか

野口悠紀雄 『だから古典は面白い』広告文より 下線は(日野)による>

そうそう、そんな感じ。聖書、戦争と平和、マクベス、ファウスト、アンナ・カレーニナ、坂の上の雲、これが古典ですね。

と思う反面、ちょっとちがう。(日野)の思う古典はちょっとちがいます。

ということで、(日野)に古典がどういうものか教えてくれた加藤周一『読書術』から
該当の部分をみていきます。

–次回につづく–

21-読解する技法


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