【0193】読解力の向上に資すること、その手がかり オマケ2 3 of 4

21-読解する技法

前回の話をまとめると次のようになります。

 

ヨコ軸に教える側、タテ軸に教わる側として、

教える側・教わる側のそれぞれに、母語話者・外国語話者かで区切った四象限とすると、

まずは①:いわゆる現国、

隣接する②③は置いておいて

次に④:(日本人が日本人に教えるこれまでの義務教育上の)英語、
国語のなかにはあってももはや母語ではない)古典や漢文、
義務教育の範囲からは出るが)古代ギリシャ語やラテン語もあり、実はこの象限④が読解を考える手がかりの本命かもしれません

 

前回のここまでの話で充分かもしれませんが、先に進む前にもう少しだけ、

【転】しつこく全体の把握に努める。一歩下がって俯瞰してみる

【0154】で書きました、分析の基本四動作=「大きさを考える」「分けて考える」「比較して考える」「時系列を考える」。このなかでも「大きさを考える」が最重要です。

(日野)は全体としての大きさの程度をおおまかに把握することを「風呂敷を広げてみる」と言っている、ということも同じく【0154】で書きました。

ここでも四象限の分析では終わらずに、しつこく、風呂敷を広げてみます。

 

ここまで見てきたこの四象限、

一歩下がって俯瞰してみると、言語の「運用」だけ、をいっているように見えます。

言語の運用というのは「読む」「聞く」「書く」「話す」のことです。

さきにこの四象限に何があてはまるか、挙げてきた具体例を振り返ると、いわゆる現国、古文・漢文、英語など小中高で学ぶ範囲や、英会話教室というもので、やはり言語の運用が中心でした。

その一方で、言語に「運用」以外の何があるか、を考えてみます。

表にしてみるとこうです。

さきほどまで見ていた「(表)読解を考える手がかり -2」は「言語の運用」として括り、その下に「言語の運用を除く何か」を置けるように、風呂敷を広げ直してみました。

 

この新しく広がった所に何が置けるでしょうか。

 

言語は、「運用」以外に、言語の「活用」、言語の「指導」、言語の「認知」、言語「そのもの」、などがあります。

 

これら言語の「活用」「指導」「認知」「そのもの」を反映すると次の表になります。

これが、読解を考える手がかりの風呂敷の全体像になると考えています。

 

新たに出現した⑤~⑨について、それぞれ具体例を挙げると、

 ⑤言語の活用は、クリティカルシンキング、読書術、…

 ⑥言語の指導は、国語教師向けの指導書、…

 ⑦言語の認知は、心理学(認知、学習 等)、…

 ⑧言語そのものは、言語学(構造、成立ち、文明史、人類史 等)、…

「それぞれ具体例を挙げると、」などと書いていますが、ここまで⑤~⑧は具体例ありきで設定しました。

これら⑤~⑧に含まれない項目を⑨としています。なので⑨の具体例はまだありません。

⑨の項目名について:通常であれば日本語で「その他」と書くところですが、「~の活用」「~の指導」「~の認知」「~そのもの」「その他」と並ぶと、同質性が強くなって「その他」がその他に見えず埋没してしまうことを危惧しました。埋もれることなく異物感も表現できることから「And More…」としています

 

–次回につづく–

21-読解する技法


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