【0192】読解力の向上に資すること、その手がかり オマケ2 2 of 4
【起2】「読解を考える手がかり」を仕切り直す
【0158】読解力の向上に資すること、その手がかり 7 of 8で次のように言っています。
“
さて、ここにこの先おさらいをしていくことを宣言をした小中高の国語というのは、(日野)を含めほとんどの人にとって次の前提にあるものであると思います。
①a 日本語が母国語である
②a (母国語である日本語を「国語の授業」として)受けてきた側である
”
この①aと②aをぐりぐりといじりながら論理展開したのが【0158】でした。
それを文章だけで書いたところに無理があったように思います。
この①aと②aというのも、文章だけで書こうとしたときに付け足したもので、それ以前に、(日野)の頭の中には表が出来上がっていたことに気づいたので、あらためてそれを頭の中から出す作業をしているのが今回のこの投稿です
(日野)の頭の中に出来上がっていた表というのが、まず次の表「読解を考える手がかり -2」です。
【承】読解を考える手がかりといって、まずは①。次は隣接する②か③なのだが、
この「(表)読解を考える手がかり-2」を基に説明を進めます。
この表、ヨコ軸に教える側、タテ軸に教わる側としています。
その、教える側・教わる側のそれぞれに、母語話者・外国語話者かで区切った四象限となっています。
ヨコ軸「教える側」=母語話者 に対してタテ軸「教わる側」が母語話者のときを①、外国語話者のときを②とし、
ヨコ軸「教える側」=外国語話者 に対してタテ軸「教わる側」が母語話者のときを③、外国語話者のときを④としています。
それぞれの象限に、具体的にはどのようなものが含まれるか、例を挙げていきます。
まず、読解を考える手がかりとして避けて通れない小中高で学ぶ国語の現代文(いわゆる現国)は、教える側も教わる側も母語話者である、象限①にプロットされます。
手がかりとして取りかかる第一もまず何をさておき現国であろうと考えています。
象限①を第一に取組むとして、次にどう進むのか。
四象限で考えるとき、隣接する象限に進むのが常套です。この表では②か③となります。
ということで象限②を見てみると、そこは“母語話者”が“外国語話者”に教える関係となっています。
具体的に何があてはまるか、例えば英語ネイティブが日本人に英語を教える場面があてはまります。これだと英会話教室を想像してしまいます。
読解を考える手がかりですから、会話は後回しでよいように思います。
ではもうひとつ象限①に隣接する象限③を見てみると、
③は“外国語話者”が“母語話者”に教えるという象限です。
これも具体例を挙げたいところですが、ここにあてはまるもの(英国に生まれて英国に育って英国から出たことのない英語しか扱えない人から日本生まれの日本育ちで日本から出たことのない日本語しか扱えない人が日本を教えてもらう?場面)は思いつきません。
さて、①の次に進む先としては②も③も違いそう、ということになりました。
②も③も違いそうとなると、残るは④です。
象限④は何かというと、“外国語話者”が“外国語話者”に教える関係です。
この関係の具体例を挙げてみると、
(日本人が日本人に教えるこれまでの義務教育上の)英語があり、
(国語のなかにはあってももはや母語ではない)古典や漢文があり、
(義務教育の範囲からは出るが)古代ギリシャ語やラテン語も、古典と同じようにこの象限に入ります。
実はこの象限④が読解を考える手がかりの本丸ではないかと期待しています。
おそらく、これらの教科書には読解を習得するための宝が山のように眠っているはずです。
まずは①、(隣接する②③は置いておいて)次に④です。
–次回につづく–