【0200】速読の技法(佐藤優『読書の技法』より) を読む 1 of 5

21-読解する技法

さて、前回【0198】まで佐藤優『読書の技法』を取り上げました。

今回から、ふたたび佐藤優『読書の技法』を取り上げます。

 

【0196】佐藤優『読書の技法』 を読むで掲げた目次をもう一度眺めてみましょう。

001

はじめに

 

第Ⅰ部

本はどう読むか

 

023

第1章

多読の技法

047

第2章

熟読の技法

075

第3章

速読の技法

099

第4章

読書ノートの作り方

第Ⅱ部

何を読めばいいか

 

111

第5章

教科書と学習参考書を使いこなす

 

 

【世界史】【日本史】【政治】【経済】【国語】【数学】

211

第6章

小説や漫画の読み方

第Ⅲ部

本はいつ、どこで読むか

 

 

第7章

時間を圧縮する技法

267

おわりに

 

熟読(2章・4章)・速読(3章)、基礎知識の身に付け方(5章)と続き、エッセイ的な内容も散りばめられており、この本は、読みようによって、そのときに得たいのが何かによって、ちがう情報を受信できる本だと思っていることも【0196】で書いたとおりです。

 

 

前回までは、第2章・第4章から「熟読の技法」を取り上げてきました。

今回は第3章にある「速読の技法」を取り上げます。

 

分類するなら「読書術」で、表でいうと⑤言語の活用に含めます。

 

以下、”“内で書籍名のない引用箇所は<佐藤優 『読書の技法』>、下線があれば(日野)によります

 

筆者は速読を「普通の速読」と「超速読」に分けている。

<p76>

(日野)はこの本を読むまで、「速読」をさらに分類するという発想はありませんでした。

というより、この本を読むまで「速読」というのはウソだと思っていました。

よく広告で見る、それまで勉強も仕事もできなかったのに速読のおかけで難関試験に一発合格とか。

そのくらいの認識で読み始めてまず先の引用箇所で驚きです。

 

繰り返します。

“速読を「普通の速読」と「超速読」に分けている”

 

では、「超速読」とは何か、「普通の速読」とどう違うのか、

「超速読」は、前述の書籍((日野)注:400ページ程度の一般書や学術書)を5分程度で読む技法で、試し読みと言ってもよい。この試し読みによって、書籍を次の4つの範疇(カテゴリー)に区分する。

  • 熟読する必要があるもの
  • 普通の速読の対象にして、読書ノートを作成するもの
  • 普通の速読の対象にするが、読書ノートを作成するには及ばないもの
  • 超速読にとどめるもの

<p76-77>

上の引用箇所が「超速読」の概要です。

400ページ程度を5分程度で読み、その後の扱いを決める技法が「超速読」のようです。

 

解説が続きます。

超速読の目的は2つある。ひとつは、前述したように、「この本が自分にとって有益かどうか」「時間をかけて読むに値する本かどうか」の仕分けである。

しかし、この判断ができるためには、その分野について一定の基礎知識があるというのが大前提になる。

(…)もうひとつの目的は、「この本はこの部分だけを読めばいい」「この箇所を重点的に読めばいい」という当たりをつけることである。

5分という制約をかけてページをめくり、気になった箇所が後でわかるように印をつけるのはこのためだ。ここでも、シャーペンやポストイットで判断できる基礎体力があるということが大前提になる。

<p78-79>

ここで目的が2つ挙げられます。

上記引用の“(…)”の前、“超速読の目的は2つある。ひとつは~基礎知識があるというのが大前提になる。”ではひとつ前の引用と同じこと(400ページ程度を5分程度で読み、その後の扱いを決める技法が「超速読」)をいっています。

“(…)”の後、“もうひとつの目的は~基礎体力があるということが大前提になる。”の方は新しい情報です。その後の扱いを決めるついでに重要そうな箇所をみつけたら印をつけておけ、といっています。

 

ゴチャゴチャっとなってしまいましたが、超速読の目的は

「本の仕分け作業」と「本全体の中で当たりをつけること」

の2つです。

この2つの目的のために何をするのか、次回はその具体的な手順から始めていきます

 

–次回につづく–

21-読解する技法


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