【0161】石の上にも1万時間 ~石の上にも3年と1万時間の法則~ 1 of 2

92-年こそ薬なれ96第一話

【起】1周年のあとは丸3年は続けたいと思っていた

第1回目の投稿【0001】「名称準備中」とはの投稿日は2015年9月23日でした。

少し前の投稿【0158】読解力の向上に資すること、その手がかり 7 of 8の投稿日が2018年9月22日だったので、そのときにもう3年が経過していたわけです。

そこで、今回は周年を契機としたテーマでの投稿なわけですが、前に周年を契機として投稿したのは初投稿から丸1年を経過したときで【0054】1年は何週間かを考える 1 of 3【0056】でした。去年のいまごろは2周年のはずですが、そのような周年を契機としたテーマでは投稿をしていません。

その前回の周年のテーマは 1年は何週間かを考える というもので、1年は何週間なのか?という疑問に決着をつけたいがために週1回投稿するこのブログを1年は絶対に続けようと思ってがんばったという内容でした。

そのときは書いていませんでしたが、なんとか続けようとがんばった1周年を過ぎて、次の目標は3年続けることでした。

3年が次の目標だったので2周年は通過点と考えていました。だからあえて2周年を契機とした投稿はしませんでした。

 

【承】なぜ3年か。なんたって石の上にも三年

さて、1年は52週だということを確認するために、絶対に続けようと思ってがんばった1周年を過ぎて【0056】1年は何週間かを考える 3 of 3を書いた後、次の目標を丸3年と置いたのは理由があります。

まず、なぜ3年という年数を設定したのかというと、「石の上にも三年」という慣用句があるからです。

これはもう、子どもの頃から何かやりたいと言うと必ず親に言われたものです。

「石の上にも三年」というからな、はじめる以上3年は続けるんやで、と

この慣用表現、改めて辞典を見てみると、こう書かれています、

石の上にも三年

辛くても我慢して続ければ、いつかは成し遂げられるということ。忍耐の大切なことのたとえ。冷たい石の上にも三年間すわり続ければ、自然に暖かくなるという意から。

(用例)「だからさ、それまでもちこたえなくちゃ駄目だよ。石の上にも三年という言葉があるだろう。三年ぐらいたてば、世の中が変わるかもしれないし、そうしたら、君だって大威張りで故郷に錦を飾ることができるかもしれない。(後略)」邱永漢『香港』

三省堂 『新明解 故事ことわざ辞典』

認識していた通りの意味・用例で安心しました。

最近はこのブログで取り上げると、従来の認識を覆されてそこから必死に調べ直してなんとかなんとか意味をつなげるというような苦しい展開が続いていたので、安心

 

幼いころから言われていたことというのは、やはりどこかに刷り込まれていて、こうして行動の基準になることがあります。

 

【転】本当に3年に根拠はないのか。石の上にも三年 と 1万時間の法則

子どもの頃から言われていた習性で、何かを始めると石の上にも三年、というのがひとつ、一周年のあと次は3年続けることを目標にした理由。

では、習性、刷り込みで根拠のない慣用句だけを頼りに3年を目標に行動していたのかというと、それだけではありません。

3年という年数にはもうひとつ意味があると、感じています。

1万時間の法則、というものがあります。

1万時間の法則

米ジャーナリスト、マルコム・グラッドウェルが『天才!成功する人々の法則』(勝間和代訳・講談社)で紹介した「作曲家、チェスの名人、サッカー選手、野球選手、コンサートピアニストなど、真に世界的なレベルに達した名人は共通して「1万時間以上もの時間を練習に費やしている」という法則。英国のジャーナリスト、マシュー・サイドの『非才』(山形浩生、守岡桜訳・柏書房)にもほぼ同様のことが述べられている。

水野俊哉 『ビジネス用語の常識・非常識』p169 下線は(日野)による>

 

真に世界的なレベルに達した名人になりたくて10000時間練習しようとしたとして、

10000時間というのがどのくらいのものか、具体的に考えてみます。

単純には、

1日24時間、
1月720時間(=24時間×30日)、
1年8640時間(=24時間×30日×12か月)、

1年は約8640時間です。(24時間×365日=8760時間のほうがより正しいか

1年と2か月で10000時間に到達します。

が、1年が8640時間であったとして、起きている間ずっと活動しているわけではありません。

1日24時間のうち、活動する時間は限られています。

であれば、より現実的な場面を想定して計算してみなければ、意味がなさそうです。

 

現実的な場面を3つ、【例1】、【例2】、【例3】と挙げてみます。

【例1】仕事。勤務時間だけ

1日8時間の職場で、勤務日は土日祝休みとすると概ね月20日勤務となります。それを1年=12か月続けると、

(8時間/日*20日/月)*12月=1920時間/年

となります。1日8時間・土日祝休みの仕事であれば、その仕事について勤務時間だけで10000時間に到達するには5年と2月半必要になります。

 

【例2】休みの日にも4時間勉強する

さきの【例1】の人が、休みの日にも仕事に関することを4時間ずつ勉強する。するとどうでしょう

月20日勤務、残りの10日が休みとしてその10日に毎日4時間を仕事の勉強に使います。それを1年=12か月続けると、

(8時間/日*20日/月)*12月=1920時間/年
(4時間/日*10日/月)*12月= 480時間/年
=1920+480=2400時間/年

となります。

これで10000時間に到達するために4年と2月必要になります。1年縮まりました。

 

【例3】勤務の前後にも4時間勉強する

さらに【例2】の人が、仕事のあとも仕事に関することを勉強する。するとどうでしょう

月20日間、勤務の前後に4時間を費やします。それを1年=12か月続けたとします、そうすると

(8時間/日*20日/月)*12月=1920時間/年 →仕事の8時間
(4時間/日*20日/月)*12月= 960時間/年 →仕事の前後に4時間
(4時間/日*10日/月)*12月= 480時間/年 →休みの日にも4時間
=1920+960+480=3360時間/年

となります。

これで10000時間に到達するために2年と11月と22日必要になります。

この【例3】のときに初めて3年を切ります。

 

こうして計算してみると、

1日8時間、平日勤務(土日祝休みの意味)の場合、

勤務時間以外に毎日4時間、仕事に関連することの勉強をし続けたとき、ようやく3年で1万時間に到達することになります。

 

こうして具体的にみてみると、どうでしょう。

仕事の前後に4時間、休みの日にも4時間というのは、決して無理な話ではなく、義務教育なり大学なりを卒業して最初の仕事に就いた時などは、そのようにガムシャラに仕事に取り組んでいたように思います。

–次回につづく–

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